ブログ

Blog

2020.09.14

最近の出来事ですが

いつも当院を利用してくれている中学生でサッカー部に所属している子が、来院した際に、「先生、突き指しちゃいました!!」と笑顔で報告。
どうやらキーパーでボールを弾いた際に左手の第三指の指先でボールを受けてしまい負傷したとのこと。

痛みは強いものの、あまり腫れなかったためアイシング で安静にしていた様で、受傷後3日目にきました。
視診の際に思ったのは、右手中指の第一関節に力が入っていないということでした。
指を伸ばした状態で、第一関節から先が垂れ下がり「指を伸ばして真っ直ぐにしてみて。」と伝えても多少力が入るものの、完全に伸びきることができていない状態でした。

最近の出来事ですが

⇧.来院時に撮った写真で第一関節はわかりづらいですが、第二関節の過伸展が強く見られます。(スワンネック変形に移行しやすい)

この症状があるときは突き指なんですが、『マレットフィンガー』を疑わなくてはいけません。
一見ヒーローの必殺技の様でカッコよく聞こえますが、放置をすると不可逆的な変化をもたらすことになります。
それでは『マレットフィンガー』とはどのような状態のことをいうのでしょうか。
マレットフィンガーのマレットとは木槌の事をいい、まさに指の第一関節が木槌のように折れ曲がった状態になります。
突き指をした際に、指先で受けてしまい過度に曲げられたり、伸ばされたりすることで牽引力や圧迫力が加わり骨や腱を損傷する場合があります。骨性のものを骨性マレット、腱性のものを腱性マレットといい、放置するとどちらも予後不良になります。

最近の出来事ですが

今回は完全に落ちてはいませんでしたので腱が部分的に残っていると判断し、アルフェンスシーネとロイコテープを用いて、第一関節を過伸展位にて固定をおこないました。
現在痛みは殆どありませんが、損傷した腱の部分が完全に癒合するまではしっかり過伸展位で固定をしていきます。
意外と放置されやすい突き指ですので、痛みが強い場合や指が曲げ伸ばしがきかない場合は自分で判断せずに一度医療機関に受診する事をおすすめします。一度ご相談ください!